月指す羅針盤

この世は無常より、すべて愛されたかった戯事

赤い閃光と狙い定めたアジェンダ、に関する散文

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 2019年2月。私は旅行で釜山にいた。オタ活メインの渡韓ではなかったものの、なんとなく、いつもの流れでMカウントダウンを見ていた。元々推しのグループはカムバ期ではなかったため適当に流し見をしていた。ここ数年、K-POP市場の盛り上がりの影響か毎週のように新しいグループが次から次へとデビューしている。その時のMカでも数組のグループがデビューやカムバのステージをしており、正直食傷気味だった。しかし、ぼんやりと眺めていた中でも、ひときわ異彩を放っているグループがあった。今考えるとなぜそのとき深堀りしなかったのかは謎だが、後々HALA HALAでカムバックしていたATEEZと知った。私のATEEZとの邂逅はこの時であった。その時はテレビで約3分のパフォーマンスを見ただけだった。まず曲が好きだった。端的に。あとやたら激しいな、センターの子が厳ついなと思った。センターとは当時襟足を伸ばしに伸ばし、両耳に大きなピアスをつけ、キツイアイメイクをしたホンジュンさんのことである。「顔のキツイ美人」は男女問わずいるものだ。

  

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正直金髪のソンファさん(名前も後で知った)が美しすぎたというのもある

 

 それから少しATEEZについて調べた。なぜこんなクオリティの高い楽曲とパフォーマンスを持つグループが他の2018年デビュー組(スキズ、アイドゥル、今月の少女など)と比べて目立ってなさすぎるんだ。調べてすぐアイズワンとデビュー時期が丸被りしていることに気づいた。あ〜〜〜〜そりゃ話題性では負けますわ〜〜!私もその頃ラビアンローズばっか聞いてた気がする。たぶん。斯くして私のATEEZとの出会いは2019年、年が明けてからだったのである、であるはずだった。さらに調べていくとATEEZがデビュー以前に「KQ Fellaz」として何曲かYoutubeに出していることを知った。…アッ見覚えある…そうか君たちだったのか……今でもATEEZというグループ名にいつどのタイミングで変わっていたのかはよく分からないままだが、私は実はデビュー以前のATEEZをそうとは知らずに見ていたのである。無自覚って怖い。ともあれ、ここから私はコンテンツが更新されれば見る、ツイッターとインスタの公式アカウントはフォローしている、というような所謂「ゆるオタ」となっていたのである。

  

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いつまでも仲仔ギャル集団でいてくれ

 

 このようにぬるっと推しグルを増やし、春には別で推しているグループのカムバがあり、季節は夏になりかけていた頃、また転機が来る。いや、オタ活の転機なんてちっこいものなんですが。なんといつの間にか私の大学の友達がアチズを推し始めていたのである。追っているグループの活動が安定期に入り、何か新しいものを見たいなと思っていた(プエクは自分の心理的負担を考えて本気では見ていなかった)私に彼女は「アチズいいよ!ここら辺好きそう!」とソンファさんとヨサンさんの写真を見せてきたのである。………いやわかるよ。今までの推し全員外さずにビジュアル担当メンバーだもんね。ミーハーなのバレバレだね。それからvliveやらリアリティーやらを色々見たあと私はユノくんかっこいいし優しそうで好きだなあと思った。「ユノもビジュアルメンやんけ!」という声も聞こえるがその話はまた別で。しかし『本気で追うかどうかは実物を見てから決める』という謎のポリシーがあった私はアチズの真夏のリリイベにいくことを決めたのである。

 結果からいうとリリイベは楽しかった。殺しにかかってくるような暑さだったけど。曲も2曲しかやらなかったけど。特典会の仕組みが意味不明だったけど。友達もできたし、期待していなかったのにユノくんのサインももらえた。普通に嬉しい。そして同時に思ったのが、「あぁ、私このグループ推さなきゃダメだわ」ということである。オタクは義務ではない。所詮趣味である。そのためこの言い方だと語弊が生じるが、私はこのグループを推すしかないと心から感じたのである。炎天下の下で行われたリリイベでもアチズはそれはもう一生懸命だったのである。口パクもしてないしダンスもフルパワー全開で踊っていたし日本語でも喋ってくれた。暇さえあればファンに笑顔で手を振るアチズは真夏の太陽のごとくキラキラ輝いて見えた。

 そこからはもう全て勢いである。Youtubeの公式チャンネルもフォローしたしコンカも入って等級申請もすぐ出した。楽曲も全部落としたし動画もほぼ全部見た。今考えると大変異常である。久々にやる気を出したオタクのパワーはすごい。そして色々な情報に目を通しマスターの写真を永遠と見続けた結果、ストーリー考察なんてはっちゃけたことまでやらかす立派なユノペンが爆誕していた。人生は茶番である。 

 しかしとどのつまり、私は「顔が好みのメンバーがいた」「友達の推してるグループを見てみた」「別グル目当てで見てた歌謡祭でかっこいい子がいた」等のよくある一般的なアイドル新規開拓ではなく、正真正銘ATEEZの『アイドルとしてのパフォーマンス』に惚れて好きになったのである。でもエイティニ実はこのパターン多いんじゃないだろうか。そのくらい彼らのパフォーマンスには気合いというか、もはや気迫のようなものを感じるのだ。

 

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実際に生で見ると同年代感が増す永遠の謎

 

 だらだらと私自身がATEEZの魅力にハマるまでを書いたが、今思うのは結局何もかも物事は最良のタイミングで出会うということだ。私が2集でハマりきらず3集でズブズブと沼にハマっていったのも、どうしてデビュー期から追ってなかったんだろうと若干ヘコむ時もあるが全てタイミングだ。その頃からハマっていたら今はもう飽きてるかもしれないし。飽き性B型の私ならあり得る。でも、今、出会えているという事実だけは確かなのだ。今の私はアチズの目指すところに手が届くまでを見届けたい。そう思えるタイミングで出会えた。趣味、ないしドルオタってそういうもんでしょ。もう開き直った。大袈裟かもしれないがアチズによって私はまた自分を客観的に見つめ直すこととなったのだった。めでたしめでたし。

 

 アチズの夢は世界征服らしい。ミンギさんが言ってた。海賊っぽくていい。他のメンバーはその時笑っていたけれど、でも心の底では同じこと思ってるんでしょ?君たちのアイドルとしての仕事への熱見てたらわかる。休め休めって言われてるのに全然休まんやん、君ら。曲のクオリティも、最初から半端なく高かったけどアルバムを出すたびにどんどんよくなっていっている気がする。このまま進んでいったらどうなっちゃうんだろう。冗談でも比喩でもなく、ホントに世界征服できちゃうかもよ。

 

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数年後には後ろのスクリーンを君たちが占領するんでしょう?

 

 変わらないものなんてこの世には存在しない。生きている限り全ての物事は変化し続けるものだ。というか、「生きている」たる証明は「変化していくこと」だ。特にエンターテインメント業界はこれに厳しい。流行りは移り変わりやすい。東京でタピオカ屋が増えなくなったように。 変化を止めたら死んでしまう。誰かが言った。「好きの反対は嫌いではなく、『関心がない』だ」と。誰にも見向きされなくなったらその時こそ終わりだ、と。私たちでさえそれは重々受け止めて生きている。競争の激しいアイドル界では尚更だ。ただし彼らはそれを決して見せない。常に崖の上に立っているような恐怖に気づかないふりをして、アイドルたちは私たちに笑顔を振りまく。しかし変化を続けなければ息が持たない一方で、変化に対する敏感な反応は往々にして起こる。『進化』は諸刃の剣だ。デビューから5、6年経ったアイドルに対して無責任な世間はこう言う。「あの頃の方が好きだった。」「今は変わってしまった。」本当に無責任だと思う。生き残るために何かを犠牲にしなければならなかったのにそれを非難される。ただアイドルは何も言わない。なぜかと言うと、「アイドル」だからだ。ATEEZはやっとデビュー1周年である。これから先、世界の荒波を乗り越えてトップアイドルへ駆け上がっていくために、色々なものを削ぎ落とし、取り入れ、進化していくのだろうと今見ても感じる。それに対して私たちは、、、

 

 

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いつまでも少年のままではいられないの

 

 

帆を上げて走り始めてしまった君たちの夢を目指す海賊船は永久に止まることができない。進化を続けて輝きを増す。ATEEZ、死ぬな、生きたいように今を生きろ。私は、私たちは君たちが「思い出」として置いていく青春のカケラを、永遠に失われることがないように今日もそっと大事にクラウド上の宝箱に保管しておく。それはファンの役目だと思うから。

 

 

데뷔 1주년, 정말로 축하합니다!

앞으로도 온 세상의 사람들을 매료하는 음악을 만들어 주세요!

정말 좋아해!

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1周年に寄せて。

 

今宵